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カツラ業界大手の苦戦

カツラ業界大手が苦戦しているらしい。


参考記事
アデランス、MBOで上場廃止 インテグラル支援で再生 (日本経済新聞)

アトネイチャ純利益20億円 17年3月期、18%増に下方修正 (日本経済新聞)

日本のおじさんたちが、「アデランス」をかぶらなくなったワケ (ITmedia ビジネスオンライン)


 さっそく、どんぶり会計β版で、アデランスのビジュアル財務諸表を見てみる。

 直近の2016年2月決算は営業赤字。確かに良くない。



 さらに、2011年から時系列で眺めると2014年2月のBSで有利子負債が大きく増え、PLで売上もどんと増えている。これは何かお買いものをしたのであろう。




さっそく、有価証券報告書を見ると、対処すべき課題の中に、
「一方、海外では2013年4月に米国男性ウィッグ最大手のHC(USA)Inc.をグループ化し、米国でのヘアソリューション事業を本格化しました。2014年度は、同社の米国内でのシナジーを100%発揮するため、植毛会社ボズレー社との連携を強めてまいります。」
という記述があった。

 なるほど。

 しかし、2016年の結果を見ると、うまくいっていない。HC(USA)Inc.をグループ化したことによって、のれんが加わり無形固定資産が大幅に増え、これを償却しなくてはならないため利益を圧迫していると考えられる。

 ここで重要なのは、業界の本質的な課題だ。品質の良い安いカツラが出て、競争環境の激化ということなのか、それとも、ITmedia ビジネスオンラインの記事タイトルにあるように、そもそもカツラをかぶらなくなったのか、その課題設定によって意思決定が変わってくるはずだ。

 そして、経営を学ぶあなたが、アデランスの経営者だったら、どんな経営課題を設定し、どんな手を打つだろうか。


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